「井上敬一」という、伝説のホストを知っていますか?
彼は、1日で1,600万円という当時類を見ない金額を売り上げ、さらに大阪ミナミで1番といわれた『プリンスクラブ 紫苑』を作り上げたオーナーでもあります。
それだけには留まらず、テレビ番組「ザ・ノンフィクション」で番組初の10年にわたる密着取材をされたり、テレビ番組のレギュラー出演、セミナ―登壇などをこなし、一般人にも名を知られる有名人へと成長しました。
その後、追徴課税1億円の脱税事件を経て、現在は実業家として活動しています。
脱税事件や現在の事業についてスポットが当てられがちな井上さんですが、今回は、ホスト時代の偉業に注目してみました。
ホストになったきっかけはもちろん、大勢のホストの中で売れる秘訣やホストとお客さんの信頼関係の作り方などを、徹底インタビュー!
ホストとして伸び悩んでいる人・今からホストを目指す人はぜひご覧ください!
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この記事の目次
伝説のホスト「井上敬一」がホストになったきっかけ
――本日は宜しくお願い致します。
宜しくお願いします!
――早速ですが、井上さんがホストになったきっかけはなんだったのでしょうか?
「彼女にフラれた」っていうのがきっかけです。
大学在学中に4年半付き合っていた女性と実家で同棲までしていたんですけど、結婚しようと思っていた矢先、「他に好きな男ができた」とフラれまして。
――今では「モテのプロ」とも呼ばれる井上さんがフラれるって、なかなか想像がつきませんね。理由はなんだったんですか?
理由はちゃんとは言ってくれませんでしたが、「男として面白くない」「飽きた」ということだと認識してます。
悔しかったのでその相手の男と3人で話す機会も作ったんですけど、彼女の意思が固くて、その好きになった相手を選んだんです。
結婚しようとも思っていたからすごく傷ついたのを覚えています。
それで、「俺はモテるんだ」ってことを証明したかったのと男としての自信回復のために、とりあえず大学でナンパをしまくってました。(笑)
そんな時、近所のお姉さんに「そんなに女の子が好きならホストやってみたら?」ってアドバイスをもらったんです。
――なるほど。当時は今よりも「ホストクラブ=危ない・怖い」というイメージが強かったと思うんですけど、ホストになることへの不安はなかったんですか?
怖いとかはありませんでしたね。
そもそも当時ホストっていうものを詳しく知らなかったんですよ。
近所のお姉さんいわく「女の子と楽しく喋る仕事」「めちゃくちゃお金貰える」ということだったので、「じゃあやってみよう!」って軽い気持ちでバイトを始めました。
――そこからレギュラー※になったきっかけはなんだったんですか?
※レギュラーとは:ホストクラブが決めた休日以外、毎日出勤するホストのこと
バイトだった期間が2ヶ月間ぐらいなんですけど、その時、母の借金が分かったんです。
母の借金っていうか、母が知人の借金の連帯保証人になっていたって感じなんですけど。
お金を借りていた方がどこかにトンズラしてしまって、保証人の母が全ての借金を背負うことになったということです。
確か何千万円っていう規模の借金でした。
それを聞いたら、のほほんと大学生活を過ごすことはできないじゃないですか。
家は貧乏で奨学金を貰いながら大学生をしていたし、なにより「母を助けないと」っていう想いが強かったんです。
「女の子にモテたい」「お金持ちになりたい」っていうのもありましたが、やっぱり一番は母の借金を返さなきゃいけないのが理由でしたね。
ホスト時代に突入!当時の心境とは?
――レギュラーホストとして働き始めて「嬉しい」と感じたことはなんですか?
売上を上げることで「自分が男として周囲に認められた」と感じられたことですね。
それに、たんなる貧乏大学生が、1年もたたずにお金に困ることがなくなったのも、ホストになって良かったと思ったことの1つです。
あと「男としてのレベル」がお金で明確に見えるのも良かったと思います。
――No.1になるのも相当早かったですよね?
そうですね。
入店して1ヶ月目でNo.1になりましたし、その後も5年間連続でNo.1を獲らせていただきました。
ホスト始めた当初は、大学生時代にナンパした女性たちがお客さんとして来てくれたことも強かったんだと思います。
出典:YouTube
――反対にホストをはじめて辛かったことはありますか?
お酒に弱いので、飲んだ次の日は相当気合いを入れないと起きられなかったことですかね。
遅刻なんてもってのほかですから。
――今はお酒を飲まないホストが増えてきていますが、当時はお酒を飲むのが普通だったんですね。
当時僕が働いていたホストクラブでは、「ホスト=お酒を飲む」っていう風に教えられましたね。
でも、それが嫌でなるべく自分のお客さんを呼んで、ヘルプにつかずにすむようにしていました。
ヘルプにつくと嫌でもお酒を飲まないといけなかったんで。
自分のお客さんであれば、お茶やコーラを飲んでベロベロに酔っぱらうこともなかったんですけど…。
とはいえ、僕を指名してくれるお客さんも多かったし、入店後8か月で元同僚だった友人に「店を出すから店長やらない?」と声をかけてもらって経営者側にまわったので、無理にお酒を飲んで辛い思いをしたのは最初の方だけでした。
伝説ホスト井上敬一流!売上を上げるコツ
出典:井上敬一オフィシャルサイト
――当時1日で1,600万円はホスト業界でも異例だったようですが、そこまで売上を上げられた秘訣ってあるんですか?
理由は2つあって、1つ目は「自分を好きでいること」。
ホストは自分を商品として売り込まなくちゃいけないんですけど、卑屈な人間にお金を使いたいとは思いませんよね?
だから、自分自身を好きでいるってことは大切にしていました。
2つ目は「正直でいること」。
誤魔化すことはせずに、「売上を上げたい」「お金が欲しい」ということを面と向かってお客さんに言っていました。
――「売り上げを上げたいからお金を使って欲しい」ってストレートに言ったら嫌がられるんじゃないですか?
そんなことありませんでしたよ。
たいていのホストは売上をあげて自信がついてから、はじめてつく席で「1杯いいですか?」って聞くようになるんですけど、僕の場合は「まず言わないと伝わらないよね」って思ってて。
だから、テーブルについたらとりあえず「ビール1杯頼んでもいいですか?」って聞いていました。
ただそれでお酒を頼んでくれたら、絶対にそれに見合った、金額以上のパフォーマンスをすることを心がけていました。
ーー入店したばかりでも、金額に見合ったパフォーマンスってできるものなのでしょうか?
お客さんは僕の接客を楽しんでその対価を支払正直、当時は商品(自分)を磨き上げられてなかったし、入店したては金額に見合ったパフォーマンスをできていなかったと思います。
「値打ちのある男になるから、とりあえずボトル入れてくれ」って伝え続けて、そこから自分を磨き上げたって感じですね。
普通は見た目を磨いて、トークを磨いて…って実力と自信をつけてから「ボトル入れて貰っていいですか?それだけの価値があるから」って言うんですけど、僕の場合逆だったので珍しいホストだったかもしれませんね。
――だけどそういう方法がお客様の「応援したい」という気持ちに火をつけたんですね。
そうですね。僕はいつも「夢」とか「野望」とかをお客様に語っていました。
当時は「ミナミで一番のオトコになる」ってことですね。
ホストクラブってある意味応援ビジネスでもあるので、まずは野望を語って「応援したい!」って思ってもらうのが先だなぁって今でも思っています。
信頼関係を築くコツは男×女ではなく「人×人」を意識すること
出典:instagram
ホストと女性が喧嘩をしている様子がSNSでたびたびアップされますが、井上さんの場合はそういうお客様はいましたか?
うーん…逆にお客さんの態度や行儀が悪い時に叱ることはありました。
やっぱり、「これだけの金でアンタを買うから」みたいなお客さまっているんですよね。
でも僕自身、お金だけの関係ってヒモみたいで嫌だったんですよ。
Win Winな関係の方がいいじゃないですか。
――Win Winな関係と言うと?
お客さんは僕の接客を楽しんでその対価を支払う、僕はお客さんにお金を頂いて最大限のパフォーマンスをする、どちらも満足できる関係です。
僕は、ホストが直接お客さんから金品を直接貰うのもなしだと思っていて、あくまで接客の対価に見合った報酬を貰うべきだと思うんです。
だから「最高の接客をするから店に来てくれ」ってことを常に言っていましたね。
でもそうなると「店でお金を使うからなにしても良いんだろう」ってお客さんもいるんですよ。
そういうお客さんには「そういう考えを改められないなら、今まで使ったお金も全部返すからもう来ないでくれ」って言っていましたね。
――なるほど、ホストとお客様はあくまで対等な立場だということですね。
そうです。
上下関係ではなくて、あくまで対等な関係でいたかったんです。
もちろんホストクラブである以上、ホスト側ががおもてなしをすることは大事だけど、おもてなしと奴隷は違うと思うので。
このことはもちろんお客さんにも言っていました。
――そういうのが信頼関係につながったんですね。
そうですね。女性と男性の信頼っていうより、人対人の信頼関係です。
僕のお客さんも「この人とは男と女を超えた付き合いをしていこう」って思ってくれてたんじゃないかなと思っています。
――他にも意識して信頼関係を築くためにやっていたことはありますか?
もちろん、お店に来てくれた時は「100%楽しませよう」と思って接客をしていました。
ホストクラブって水商売をしているお客さんが多いんですけど、水商売ってお客さんに好き勝手言われたり、乱暴な態度を取られたりでストレスがたまることも多いんです。
だから、そういう女性が来た時は、居心地の良い場所を作ろうってことを意識していました。
――居心地の良い場所っていうのは、どうやって作っていたんですか?
基本的には、聞き役に徹するとか、その子のことを肯定してあげるとかですね。
この人の近くは居心地が良いって思える時って、自分のことを理解してくれていると感じた時とか、自分を承認してくれた時とか、自分に興味持ってくれているなと感じた時なんです。
だから、「この人どんな仕事をしているだろう?」「今日はどうやって過ごしたんだろう?」とかを意識的に聞くようにしていました。
そうすると本人が普段誰にも言えない話をしてくれたり、本音を話してくれたり、より一層人間関係が深まるんです。
――たしかに。自分を肯定してくれたり本音を言える相手の存在は、普段の生活で心の支えになりますね。
そうなんです。
だから普段出せないものをココ(ホストクラブ)では自然と出せるように、感情を引き出すトークをしっかり行っていました。
あとは、やっぱり大阪のホストクラブだから「笑わせる」っていうことも意識していましたね。
楽しいことがあれば明日の活力になりますから。
――相手の本音を聞くだけでなく「明日からも頑張れる元気」を届けることで、井上さんのファンが増えていったんですね!
ちなみに、普段のメールでも信頼関係を築くために何かされていたんですか?
そうですね、細かいことで言うと、毎日のように連絡をとるとか。
営業前に「お店に来て」って連絡だけじゃなくて、休みの日もたわいのない会話をしていました。
それってお客さんとして扱っているわけではなく、人として、友人として扱うことになりますよね。
そしたら、別に「店に来て」って言わなくても来てくれるし、言ったとしても「営業じゃん」って嫌がられないんです。
これが下手なホストやホステスって、出勤して暇な時だけ連絡をとるんですよね。
それって別にお客さんのこと考えてないじゃないですか、あくまで自分の売上目当てというか。
そういう関係だとお客さんもだんだん冷めちゃったり、店に行くことが義務になって、しんどくなっちゃって関係が切れてしまうんですよ。
でも友人なら、そう簡単に関係が切れないんですよね。
――なるほど。たしかに、ホストとお客さんの関係より対等な友人の方が長く関係が続けられますよね。
そう。僕は常に、「お客さんが嬉しいと思ってくれることはなんだろう」って考えながら行動していました。
お客さんのハッピーを考えるなら、「このお店美味しかったよ」とか「この服可愛いじゃん」とかはもちろん、「別にうちのお店じゃなくてもいいんだよ」とも言っていいと思っています。
――うちの店じゃなくていいって言ったら本当に来なくなったりしないんですか?
僕はありませんでしたよ。
もちろんその中で、「僕も売上を上げたいし来てくれたら嬉しい」ってことを素直に伝えていたっていうのもあると思いますけど。
結果的に売上が上がったということは、間違いではなかったんだなと思っています。
ホストクラブ経営時代の〇〇を聞いてみた!
――ザ・ノンフィクションではホスト達をフォローしたり、時には叱ったりと愛情深い人間という印象でした。井上さんの愛情深さの根源にはなにがあったのでしょうか?
20歳の時に僕と一緒に店を出してくれたオーナーで、相方・親友でもある「恵良敏彦」の影響が大きいです。
彼はとにかく懐が深い人でした。
「どんな人間でも可能性がある、クビにはしない。」みたいな、そんな人間だったんですけど、彼に出会った当初、僕にはそんな発想が全然なかったんです。
その時の僕って、自分が強くなることとか自己超越に関してはすごく興味があったんですけど、人に興味がなかったんですよね。
でも彼は「人」にすごく興味を持って接していて、人にイキらない、むしろ人の良さを引き出すような魅力を持っている人でした。
「本当の強さを持っている人ってこんな人なんだな」「トップに立つべきはこんな男なんだな」って魅せられたんです。
それからは彼のような懐の深い男になりたいと思って、彼を研究しました。
歩き方から話し方から、それこそどんな親に育てられたかまで。
そこからですかね。自分も人を信じれるようになったというか、興味を持って関わっていけるようになったのは。
――なるほど。当時のオーナーとはずっと一緒にホストとして働いていたんですか?
はじめは一緒にホストとして働いていたんですけど、彼が店を先にやめてしまって…。
その後「一緒にホストクラブやろう」って誘われて、新しいホストクラブを開店することになったんです。
それが「Lady’s Pub 夜間飛行」って店なんですけど、1年ぐらいで拡大移転して、大阪で一番大きいホストクラブ「プリンスクラブ 紫苑」に成長するまでになりました。
その時僕は21歳だったかな?
彼がオーナーで、僕が雇われ店長みたいな感じでしたね。
出典:ameblo
――経営していて大変だったことは?
とにかくやんちゃなホストが多かったことです。(笑)
当時一緒に働いていたホスト達は、人に裏切られた過去を持っていたり、少年院あがりだったり、施設で育った子もいて…。
彼らは本能的に「この人間を信用して良いのか」っていうのを見ていたんですよね。
だから口先だけじゃ絶対に信用されないんです。
――どうやって信頼関係を築いたんですか?
やっぱり、「言葉でも行動でもとにかく動くべきだ」って思って色々していましたよ。
「人生かけて一緒にやっていこう」「お前と棺桶を担ぎあう」って言葉でも伝えたし、店外で問題おこしたら相手に土下座したり、悩んでいたら声をかけたり、揉め事があれば身体を張るし、プライベートでも常にご飯に行ったり行動でも伝えていたつもりです。
やっぱり事情があってホストをしているし、何か心の傷を抱えている奴らが多かったので、簡単には信用されないわけです。
だから、彼らをしっかりとした人間にするには、まず自分が先に心を開かないと無理だと思って行動していましたね。
ホストを目指す人・現役ホストにメッセージ
出典:Instagram
――今の現役ホスト・ホストになりたい人に向けてホストをする上で大切だと思うことを教えてください。
今はROLANDさんとかメディアにでるホストも増えて、「ホストに入ったら売れる」と思っている人やホストに憧れて入店する人も多いと思うんです。
でもホストになることを目標にするんじゃなくて、「ホストの世界で自分自身を魅せる」ってことを意識したほうがいいですよ。
例えば、僕の場合は「ホストとしての井上敬一がどう通用するか」じゃなく、「井上敬一がホストの世界でどう通用するか」を考えていました。
試行錯誤した結果、お客さんにも「井上敬一」を受け入れてもらえたので、これからホストになる人も今ホストとして伸び悩んでいる人も、ホストを演じるんではなく、自分自身がホストという仕事を通して成長していくって考えで、入店してほしいです。
――自分自身を魅せるっていうのは、自分の良さをみせるってことですか?
そう。じゃないともう別人ですよね。
源氏名をつけるから余計に別人を演じてしまう人が多いんですけど、演じるって本来の自分とは違う人間になること。
それって、せっかく今までの人生で培ってきた「自分自身」を失ってしまうことになるんです。
なので、1つでもいいので自分の中でブレない芯を持って、ホストとして頑張ってください。
――独立する人に大切にしてほしいこと・メッセージがあればお願いします。
まず自分が経営者に向いているかどうかを見たほうが良いですよ。
経営者とプレイヤ―は全くの別物です。
――井上さんにとって経営者とプレイヤーの違いってなんですか?
当たり前のことなんですけど、プレイヤーは売上をあげる人間、経営者はプレイヤーをコーチングする人間なんです。
だから極端に言うと、プレイヤーは自分のことだけ考えれば良いんです。
自分をかっこよくするとか接客の方法を工夫するとか。
だけど、経営者は周りを優秀にすることが仕事なので、皆のことを考えないといけません。
「当たり前じゃん」って思うかもしれませんが、実は分かっていない人多いんですよね。
だからプレイヤーを辞めて経営者になると潰れちゃう人がいるんです。
プレイヤーを上手く教育できないから。
――経営者に向いている人はどういう人だと思いますか?
人を育成する力がある人。
これを学んでないなら独立しない方がいいです。
独立した方がお金になるからっていう甘い考えの人もいるんですけど、その考えじゃ成功しませんね。
むしろ逆の考えじゃないと。
――逆の考えとは?
極端な話をすると、上に立った方が給料が下がるってことですね。
知り合いの営業の会社では、役職がついても給料が下がるってところがあるんです。
この考え、馴染みがありませんよね?
普通は売上をあげて優秀だから役職をもらう、そしてそれに見合った分給料があがる。
だけどその会社では、役職付きとしてはまだなにも実績をあげていない、いわば新人だからあえて給料を下げるらしいです。
役職付きとして実績も出してないのに給料を上げる方がおかしいと。
それぐらい役職付きとプレイヤーはすることが違うから、向いているかどうかを考えておかないといけないってことです。
――経営者向きじゃないけど経営したいって場合はどうすればいいんでしょう?
自分がプレイヤー向きなら経営者になるために勉強すればいいし、すでに経営者向きの人と手を組んで一緒に独立してもいいと思います。
プレイヤー向きの人間がいきなり経営者になっても、絶対に失敗しますよ。
だから独立する前に、自分の右腕や左腕を見つけておく。
もっと言えば5人くらいのチームを持って、その子たちを全力で成長させる。
それで自分より優秀なプレイヤーを5人作れたら、経営者の素質があるってことだから経営に移ればいいと思います。
――ちなみに井上さんはたった8ヶ月でプレイヤーを上がって経営者になったそうですが、苦労しなかったんですか?
もちろん苦労しました。
というのも、ホストって売上で上下関係が決まることもあるじゃないですか。
でも経営者って自分の売上(=数字)はないんですよね。
プレイヤーの時は数字を持っていたからまだ言うことを聞くけど、ホストを上がった25歳以降は、数字を持っていないので素直に言うことを聞いてくれない時もありました。
――そういう場合はどうやって指導していたんですか?
まず、自分が圧倒的にモテるというか、尊敬されるのが大事だと思ったんです。
として」尊敬されるように動きました
自分よりもいかにスタッフのことを考えて行動するか、それだけを指標に試行錯誤の毎日です。
ただ、最初は上手くいかず、ホスト達はなかなか素直に言うことを聞いてくれませんでした。
結構僕も悩みましたよ。
――その後どうしたんですか?
本当に悩んだ結果、シンガポールまで上場企業の社長に会いに行って「僕はなんで経営者として伸びないんだろう」ってことを相談しました。
そしたら、「それは腹をくくってないからだろう」ってことを言われたんですね。
もちろん「僕は腹はくくって頑張ってますよ」って言ったんですけど、そうじゃなくて監督として腹をくくってないと言われたんです。
たしかにそうで、経営だけに専念していたときに、ホストたちが伸び悩んでいたら「売上はこうやってあげるんだ」って自分が昔のお客さんを呼んでその場で見せていました。
でも、本当はそれって経営者としてやってはいけないこと。
例えば、野球チームの監督は野球選手が打てないからといって、試合中にこうやって打つんだぞってバッターボックスには立たないですよね。
だから彼は、経営者としての腹をくくってないって言ったんだと思います。
それに気づいてからは、プレイヤーとしての仕事はせず、フォローに回ったりアドバイスをしたり、時にはじっと待つことで、「経営者として」尊敬されるように動きました。
そしたら、自然と信頼してくれるようになって、問題もぐんっと少なくなったんです。
だから、経営をしたい人は、プレイヤーと経営者を混同しないこと。
それを肝に銘じて欲しいです。
まとめ
出典:井上敬一オフィシャルサイト
名前 | 井上敬一(いのうえ けいいち) |
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年齢 | 44歳 |
ホスト時代の経歴 | 1995年:「Lady’s Pub 夜間飛行」オープン 1996年:店名改め「CLUB 紫苑」移転オープン 2001年:1日で1,600万円売り上げる 2003年:「CLUB 紫苑」全面改装リニューアルオープン 2004年:「CLUB LEIZE」オープン 2012年:ホスト業界から引退 |
現在の事業 |
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著 書 |
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